堺刃物の歴史
堺刃物の生産地、堺は戦国時代から安土桃山時代にかけ、
貿易港として自治都市として繁栄しました。
天文12年(1543年)ポルトガル人によって鉄砲・たばこが伝来し、
天正年間(1573年〜)にたばこの葉を刻む「たばこ包丁」が、
堺で製造されるようになりました。
この堺のたばこ包丁は、輸入品のたばこ包丁より優れていたため、
後に江戸幕府が「堺極(さかいきわめ)」という極印を入れ全国に販売を始め、その切れ味の名声が広く知れ渡るようになりました。
堺刃物の製造は「鍛冶」「刃付け」「柄付け」と分担されています。
それぞれの職人が高度な技術を用いて1本の包丁を造る伝統は現在も引継がれています。
堺刃物は日本全国で約90%の料理人が使用している包丁と言われていますが、それは600年前から受け継がれてきた堺刃物の技巧に対する料理人の信頼の証しなのです。